あとがきに代えて
お菓子、それはこの世の愛の形。
人生の始めから寄り添い、その終になってもなお、折節の中にいつもお菓子がある。
悲しみ、苦しみ、疲れ、淋しさ…笑顔が消えた日にも、お菓子に出会ったとき、人は不思議に涙の奥で微笑む。
初めて世の光に触れた幼な子が、口に含む甘味。青春を生き、年重ね老いても、なお限りなく求めるスイーツ。神様は何と素晴らしい贈り物を下されたことか。
今、それは“お菓子”となって、世界の国で複雑な味のハーモニーが作られ、美しい造形に高められている。
人生の“冠”という凛々しい儀式に。“婚”という愛の結びに。紡いだ年を寿ぎ、“葬”という愛の別れに。“祭”という人智を超えた畏敬に供えて。お菓子はいつも端正にそこにある。
未来の世界、それがどんなに変化してゆこうとも、そこに“愛”を感じる人間がある限り、お菓子はこれからも、その人と共に喜び満ちる存在としてあり続けるであろう。
長月の夜半に…
本書の出版にあたり、岡田芳郎氏に多大なご尽力をいただいたことに、心より感謝申し上げたい。岡田氏は、(株)電通CI室長として、数多くの企業のCI計画や文化事業をプロデュースされた経験を持ち、詩人としても活躍されている。